特定技能2号は「熟練した技能」を持つ人材向けで、在留期間・家族・支援の扱いが大きく異なる

特定技能1号と2号は、どちらも人手不足の分野で外国人材を受け入れるための在留資格ですが、求められる技能の水準と、在留中の扱いが大きく異なります。

  • 特定技能1号:「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を持つ人材が対象です。通算の在留期間に上限(原則5年)があり、家族の帯同は基本的に認められません。受入れ企業または登録支援機関による支援が必要です。
  • 特定技能2号:「熟練した技能」を持つ人材が対象です。在留期間の更新回数に制限がなく、要件を満たせば配偶者・子の帯同が認められます。受入れ企業等による支援の対象外です。

また、2号の対象は11分野に限られ、1号の対象分野すべてで2号に移行できるわけではありません。採用やキャリアの計画を立てる前に、希望する分野に2号があるかを確認することが重要です(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」令和8年9月29日更新)。

特定技能1号と2号の違い(比較表)

項目 特定技能1号 特定技能2号
対象となる技能 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 熟練した技能
在留期間の更新 3年を超えない範囲で個別に指定された期間ごと 3年・2年・1年・6か月ごと(更新回数の制限なし)
通算の在留期間 上限5年(相当の理由がある場合は6年) 上限なし
技能水準 試験等で確認(技能実習2号の修了者は免除) 試験等で確認
日本語能力 試験で確認(A2.2相当以上。技能実習2号の修了者は免除) 試験で確認(B1相当以上。2027年4月1日に省令施行予定)
家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可能(配偶者・子)
受入れ企業等による支援 支援の対象 支援の対象外
受入れ見込数(上限) 分野ごとに設定(全分野で80万5,700人、2029年3月末まで) 設定なし
対象分野 19分野 11分野
在留者数(2026年6月末・速報値) 425,961人 18,295人

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年9月29日更新)

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制度の説明

在留期間:1号は通算5年まで、2号は上限なし

1号の在留期間は、3年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間ごとに更新します。通算の在留期間は原則5年が上限で、この「通算」には、就労していない期間や、再入国許可で出国していた期間も含まれます。

一方で、産前産後休業・育児休業、病気やけがによる休業、やむを得ない事情で再入国できなかった期間は、一定の手続きを経れば通算から除かれる場合があります。この手続きは、5年の満了の3か月前から満了までの間に、事情を説明する資料を添えて申請する必要があります(出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」)。

さらに、2号への移行に必要な試験等で合格基準点の8割以上を取得したものの不合格となった人は、要件を満たせば通算6年まで在留できます。主な要件は、合格に向けて受験を続けることや、不合格の場合は速やかに帰国することなどを本人が誓約し、所属企業が引き続き雇用する意思と、合格に向けた指導・研修の体制を持っていることです(出典:同上)。

2号は、3年・2年・1年・6か月ごとの更新で、更新回数に制限はありません。

技能と日本語:2号は「指導・工程管理」ができる水準

2号に求められるのは、長年の実務経験等により身につけた熟達した技能です。出入国在留管理庁は、例として「自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる」水準や、「監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる」水準を挙げています。

この水準に基づき、各分野の分野別運用方針では、2号の業務として「複数の作業員を指導」「工程を管理する業務」などが定められています。つまり、2号は1号や技能実習生と同じ作業をするのではなく、現場をまとめる立場で働くことが前提です(出典:出入国在留管理庁「2号特定技能外国人の業務内容について」令和8年8月5日)。

技能は、分野ごとの特定技能2号評価試験や技能検定1級などで確認します。どの試験が必要かは分野によって異なります。

日本語能力は、1号では日本語教育の参照枠でA2.2相当以上(A2相当のレベル)を試験で確認します。ただし、介護、自動車運送業(タクシー・バス)、鉄道(運輸係員)の各分野には別途の要件があります。

2号では、2027年4月1日から、B1相当以上の日本語能力を試験で確認する省令が施行される予定です(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」)。現行でも、外食業と漁業の分野では、2号に必要な試験等に日本語能力試験(N3以上)が含まれています(出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」)。

家族の帯同と支援

1号では、家族の帯同は認められません。2号では、在留資格「家族滞在」による配偶者・子の帯同が認められます(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q9)。

支援についても扱いが分かれます。1号は、受入れ企業または登録支援機関による支援の対象で、受入れ企業は支援計画を作成して実施する必要があります。2号は支援の対象外です(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」)。なお、1号の支援体制に係る要件は、2027年4月1日施行の改正が公表されています(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」ページ)。

対象分野:2号は11分野

1号の対象は19分野、2号の対象は11分野です(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」令和8年9月29日更新)。

分野 1号 2号
介護 ○ ×(在留資格「介護」への移行の道がある)
ビルクリーニング ○ ○
リネンサプライ ○ ×
工業製品製造業 ○ ○(機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3業務区分のみ)
建設 ○ ○
造船・舶用工業 ○ ○
自動車整備 ○ ○
航空 ○ ○
宿泊 ○ ○
自動車運送業 ○ ×
鉄道 ○ ×
物流倉庫 ○(受入れ開始は準備が整い次第) ×
農業 ○ ○
漁業 ○ ○
飲食料品製造業 ○ ○
外食業 ○ ○
林業 ○ ×
木材産業 ○ ×
資源循環 ○(受入れ開始は準備が整い次第) ×

自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は2024年3月に、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環は2026年1月に対象分野として追加されました。これらの分野は、現時点では1号のみが対象です。

介護分野には2号がありませんが、介護福祉士の国家試験に合格して在留資格「介護」に変更し、引き続き日本で働く道があります(出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」)。

企業・求職者にとっての実務上のポイント

1号の5年間を「2号への準備期間」として設計する

2号は、1号を経れば自動的に移行できるものではありません。分野ごとの試験等に合格する必要があり(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q12)、業務としても作業員の指導や工程の管理を担うことが求められます(出典:出入国在留管理庁「2号特定技能外国人の業務内容について」)。

長く活躍してもらいたい人材がいる場合は、1号の期間中から、試験の受験支援に加えて、後輩の指導や工程管理を任せる経験を積めるようにしておくと、2号への移行がスムーズになります。

2号の申請では「指導する業務の実態」が確認される

2026年8月20日以降、2号の在留諸申請では「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式)」の提出が必要になりました。この誓約書で、2号の外国人が従事する業務と、1号や技能実習生の業務との違い、指導を受ける対象者などが確認されます。

記載内容と実際の業務が異なる場合は在留資格が取り消される可能性があり、虚偽の記載は受入れ企業の欠格事由に該当するおそれがあります(出典:出入国在留管理庁「2号特定技能外国人の業務内容について」)。2号として受け入れる前に、社内でどのような指導・管理の役割を担ってもらうかを具体的に決めておく必要があります。

2号がない分野は、1号の期間を前提に計画する

介護、リネンサプライ、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、林業、木材産業、資源循環の各分野には2号がありません。これらの分野では、1号の通算5年(要件を満たす場合は6年)を前提に採用・育成の計画を立てる必要があります。

また、分野によっては受入れが一時停止されることもあります。たとえば外食業分野では、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付の一時停止措置がとられており、2026年10月19日時点でも続いています(出典:出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」)。

求職者にとっての2号のメリット

働く外国人の側から見ると、2号には、家族と一緒に日本で暮らせることや、在留期間の上限を気にせず働けることに加えて、永住許可への道が開けるという大きな違いがあります。2号の在留期間は永住許可の要件である「就労資格での在留期間」に含まれますが、1号の期間は含まれません(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q10)。

よくある質問

1号を5年経験すれば、自動的に2号になれますか?

なれません。2号に移行するには、分野ごとに定められた試験等で熟練した技能を確認する必要があります。反対に、試験等で熟練した技能が確認されれば、1号を経ずに2号を取得することもできます(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q12)。

介護分野で働く人は2号に移行できますか?

介護分野には2号がありません。介護福祉士の国家試験に合格し、在留資格「介護」に変更することで、引き続き日本で働く道があります(出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」)。

2号の外国人にも、登録支援機関の支援は必要ですか?

必要ありません。2号は、受入れ企業または登録支援機関による支援の対象外です。支援計画の作成・実施が必要なのは1号の外国人です。

2号になれば、永住許可を申請できますか?

2号の在留期間は、永住許可の要件である「就労資格での在留期間」に含まれるため、2号から「永住者」への変更は可能です(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q10)。ただし、永住許可にはほかにも要件があり、ガイドラインも改訂されているため、申請する時点のガイドラインを確認してください。

2号の家族は、どの在留資格で日本に来ますか?

在留資格「家族滞在」で、配偶者と子が対象です(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q9)。

まとめ

特定技能1号と2号の違いは、在留期間の上限、家族の帯同、支援の要否、そして対象分野の4点に集約できます。2号は、在留期間の上限がなく家族とも暮らせる一方で、熟練した技能と、現場の指導・工程管理を担う業務実態が求められます。

2号の対象は11分野に限られ、日本語能力の要件も2027年4月から変わる予定です。制度は改正が続いているため、採用やキャリアの計画を立てる際は、出入国在留管理庁の最新情報をあわせて確認してください。