受け入れられるのは「認証を受けた整備事業場」で、協議会への加入が必要

特定技能「自動車整備」で外国人を受け入れるには、まず企業側の要件を満たしている必要があります。押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 認証を受けた事業場であること:道路運送車両法第78条第1項に基づく、地方運輸局長の認証を受けている必要があります。
  • 協議会への加入:在留資格の申請の前に「自動車整備分野特定技能協議会」に加入する必要があります。会費はかかりません。
  • 登録支援機関に委託する場合の追加要件:委託先の登録支援機関も協議会に加入し、自動車整備士の資格者などを置いている必要があります。
  • 外国人に必要な試験:自動車整備分野特定技能1号評価試験(または自動車整備士技能検定3級)と、日本語の試験に合格している必要があります。
  • 派遣は不可:特定技能の外国人を派遣で受け入れることはできません。

(出典:出入国在留管理庁・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-自動車整備分野の基準について-」、国土交通省「自動車整備分野の特定技能」ページ)

受入れ企業の要件

地方運輸局長の認証を受けた事業場であること

自動車整備分野で特定技能の外国人を受け入れる企業は、道路運送車両法第78条第1項に基づく、地方運輸局長の認証を受けていなければなりません(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))。

協議会への加入

在留資格の申請の前に、国土交通省が設置する「自動車整備分野特定技能協議会」に加入し、加入後は、協議会や国土交通省などの調査・指導に必要な協力をする必要があります。2024年6月15日以降は、初めて受け入れる場合でも、申請の時点で協議会の構成員であることの証明書が必要です(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))。

国土交通省のページでは、加入の方法が次のように案内されています(出典:国土交通省「自動車整備分野の特定技能」ページ)。

  • 受入れ企業は、協議会の第1号様式と別表第1を、管轄の地方運輸局に提出する(郵送の場合は返信用封筒を同封)
  • 登録支援機関は、協議会の第2号様式と別表第1を提出する
  • 会費は発生しない

登録支援機関に支援を委託する場合

1号の外国人への支援を登録支援機関に全部委託する場合は、委託先の登録支援機関にも次の要件があります(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))。

  • 在留資格の申請の前に、自動車整備分野特定技能協議会に加入していること
  • 支援責任者、支援担当者その他外国人の支援を行う人として、自動車整備士1級または2級の資格を持つ人、または自動車整備士の養成施設で5年以上の指導の実務経験がある人を置いていること

委託先を選ぶときは、自動車整備分野の協議会に加入済みか、整備士の資格者などを置いているかを確認しておきましょう。

そのほかの要件

  • 実務経験の証明:外国人から、自動車整備分野の実務経験を証明する書面を求められたときは、交付しなければなりません。
  • 派遣は不可:特定技能の外国人を派遣することも、派遣された人を受け入れることもできません。違反すると、その後5年間は特定技能の外国人を受け入れられなくなります。
  • 事業場の変更:受け入れた後に、外国人が働く事業場が変わる場合は、特定技能雇用契約の変更の届出が必要です。

(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))

任せられる業務

区分 主な業務
1号 自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する基礎的な業務
2号 他の要員への指導を行いながら従事する、自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する一般的な業務

出典:運用要領別冊(自動車整備分野)

あわせて、同じ業務に従事する日本人が通常行う関連業務に、付随的に従事することもできます。運用要領では、関連業務の例として、整備内容の説明と関連部品の販売、部品番号の検索・部内発注作業、ナビ・ETCなどの電装品の取付作業、洗車作業などが挙げられています。ただし、関連業務だけに専ら従事させることは認められません。

2026年の業務区分の見直し

2026年1月23日の閣議決定により、自動車整備分野の業務区分は「自動車整備」と「車体整備」の2つになりました。新しい業務区分は従来の業務区分から切り分けたもので、2027年3月31日までは従来の業務区分で受け入れる経過措置が設けられています(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」令和8年9月29日更新)。

自動車整備分野の1号の受入れ見込数(受入れの上限)は、2029年3月末までで9,400人です(出典:同上)。

整備工場の外国人採用について相談する

認証工場で特定技能の外国人材の受入れを検討している整備事業者さまへ。協議会への加入や受入れ準備の確認から、まずはご相談ください。

整備人材の採用を相談する

外国人に必要な試験

区分 必要な試験など
1号 自動車整備分野特定技能1号評価試験、または自動車整備士技能検定3級+日本語の試験(国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上)
1号(免除) 自動車整備職種の技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除される。それ以外の職種の技能実習2号を良好に修了した人は、日本語の試験が免除される
2号 自動車整備分野特定技能2号評価試験、または自動車整備士技能検定2級+認証を受けた事業場での3年以上の実務経験(技能検定2級の合格者は実務経験の要件なし)

出典:運用要領別冊(自動車整備分野)

なお、2026年9月29日更新の制度概要では、2号の技能水準について、車体整備の業務区分の場合は自動車車体・電子制御装置整備士の技能検定が示されています。国土交通省のページでは、外国人技能養成講習を修了した人は2号の評価試験の実技が免除されると案内されています(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」、国土交通省「自動車整備分野の特定技能」ページ)。

受入れ準備のチェック項目

採用を始める前に、次の項目を確認しておくと手続きがスムーズです。

  • 外国人が働く事業場が、地方運輸局長の認証を受けている
  • 自動車整備分野特定技能協議会に加入している(または在留資格の申請までに加入する)
  • 支援を自社で行うか、登録支援機関に委託するかを決めている
  • 委託する場合、委託先が協議会に加入し、整備士の資格者などを置いている
  • 任せる業務が、点検整備・特定整備などの主たる業務になっている
  • 採用する人が、評価試験・技能検定3級・日本語の試験に合格している(または技能実習2号の免除にあたる)
  • 直接雇用で受け入れる(派遣は不可)
  • 住居や生活の支援の準備ができている

よくある質問

認証を受けていない整備工場でも受け入れられますか?

受け入れられません。道路運送車両法第78条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けていることが要件です(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))。

洗車や部品の発注だけを任せてもよいですか?

できません。洗車や部品の発注は関連業務として付随的に行うことはできますが、関連業務だけに専ら従事させることは認められていません。点検整備などの主たる業務に従事させる必要があります。

協議会の加入に費用はかかりますか?

会費は発生しません。受入れ企業は所定の様式を管轄の地方運輸局に提出して加入します(出典:国土交通省「自動車整備分野の特定技能」ページ)。

登録支援機関であれば、どこにでも支援を委託できますか?

自動車整備分野では、委託先の登録支援機関が協議会に加入し、自動車整備士1級・2級の資格者や、養成施設で5年以上の指導経験がある人を置いている必要があります(出典:運用要領別冊(自動車整備分野))。

2号になるには何が必要ですか?

自動車整備分野特定技能2号評価試験の合格(または自動車整備士技能検定2級の合格)と、認証を受けた事業場での3年以上の実務経験が必要です。技能検定2級の合格者は、実務経験の要件はありません(出典:同上)。

まとめ

特定技能「自動車整備」で外国人を受け入れられるのは、地方運輸局長の認証を受けた事業場です。在留資格の申請の前に自動車整備分野特定技能協議会に加入し、支援を登録支援機関に委託する場合は、委託先にも協議会への加入と整備士の資格者などの配置が求められます。

2026年には業務区分が「自動車整備」と「車体整備」に見直されました。運用要領や受入れの状況は今後も更新されるため、採用を始める前に、出入国在留管理庁と国土交通省の最新情報をあわせて確認してください。